- かかり
- I
かかり【係(り)】〔動詞「かかる(係)」の連用形から〕(1)特定の仕事・役目を受け持つこと。 また, その人。
「~の者を呼んで来ます」
〔「受付~」「会計~」のように名詞の下に付くときは, 多く「がかり」の形になり, 「係」と書く。 ただし, 官庁や鉄道などの場合は多く「掛」と書く〕(2)〔文法〕 係り結びで, 呼応する文末の活用語に定まった活用形をとらせる助詞。→ 係り結び(3)関係。 かかわり。II「今は仏がゆかり~の者ども, はじめて楽しみ栄えた/天草本平家2」
かかり【掛(か)り・懸(か)り】〔動詞「かかる(掛)」の連用形から〕(1)費用がかかること。 出費。 《掛》「~がかさむ」(2)攻めること。 特に囲碁で, 隅を占めた相手の石を攻めるため自分の石を打つこと。 《掛》「~の石」「高(タカ)~」(3)落ちたり, すべったりしないようにこしらえたもの。 また, 釣り針の返し。「向う状(ザマ)に椅子の~に俯伏せになると/婦系図(鏡花)」
(4)(邦楽などで)本演奏の前に奏する部分。(5)髪の垂れ下がったようす。「うちうつぶし給へる髪の~/源氏(宿木)」
(6)蹴鞠(ケマリ)をする庭の四隅に植えた木。 正式には北東に桜, 南東に柳, 南西に楓(カエデ), 北西に松を植える。(7)かまえ。 作り方。 構造。「いづれも同じ局の~/浄瑠璃・油地獄(下)」
(8)世話になること。 頼ること。 また, 頼る人。「主(シユウ)に~の身なれば/浮世草子・真実伊勢物語」
(9)(和歌・連歌・能楽などで)風情。 趣。 姿。 風体。 様子。 感じ。「姿~まことにいつくしさたとへん方なし/御伽草子・文正」
→ がかり(掛)IIIかかり【斯かり】〔「かくあり」の転〕このようである。 こうだ。「天下の事は, とありとも~・りとも/竹取」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.